23−24シーズン第9節 vsアーセナル(H)選手採点

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はじめに

ダービーって異常に強い選手がいる。

だいたいそういう選手は愛される。

ありがとうアザール。

同じようにダービーでミスを犯すと、その後の目も厳しくなるのが世の常である。

得点者

チェルシー 2-2 

得点:前半15分 コール・パーマー、後半3分 ミハイロ・ムドリク (チェルシー)/後半32分 デクラン・ライス、後半39分 レアンドロ・トロサール (アーセナル)

試合前

代表ウィーク明けはどうにもテンポの上がらない試合が目立つ。

各国に派遣している欧州強豪リーグ、それも上位チームにとっては避けられない宿命である。

しかしダービーとなれば話は別。

肉体を精神が超える試合である。

第9節、ビッグロンドンダービーである。

怪我人に次ぐ怪我人のチェルシーは、復帰したカーニー・チュクエメカが再離脱。

徐々に戻ってきた中で痛手に。

それでもブレイク前の連勝の勢いを持ち込みたい。

対するアーセナルは天敵マンチェスターシティを破り、今季も優勝戦線に絡むことを示した。

どちらも好調を継続したい1戦に。

リース・ジェームズがベンチに戻った一方、ニコラス・ジャクソンらはコンディション不良。スタメンは出場停止から帰ってきたマロ・ギュストとハイパフォーマンスのマルク・ククレジャがサイドを固めた。

対するアーセナルはケガが噂されたブカヨ・サカが先発し、ベストに近い布陣を揃えた。

試合内容

開始から最高潮のテンションで入ったのはホームチーム。

序盤から積極的に前に出ると、好調のラヒーム・スターリングが今宵も攻撃の中心に。

先制点は勢いそのままにチェルシー。

スターリングのクロスに飛び込んだミハイロ・ムドリクのヘディングがハンドを誘いPKを獲得。

いざこざを経てスポットに立ったパーマーがしっかりと沈め、2試合連続のPK弾を奪った。

守備ではククレジャが気合いの入ったプレーでサカを封じる。

前半の終盤にかけてはアーセナルがボールを支配するも、SBが体を張り得点は許さず。

逆にスターリングが迫力を見せるなど、チェルシーが反撃を返し1点リードで前半を終えた。

後半、ラッキーな形で得点を奪ったのはチェルシーだった。

ムドリクのクロスはそのままゴールに吸い込まれ、スタンフォードブリッジで待望の初ゴールを記録した。

その後は安定したパス回しやショートカウンターでアーセナルを寄せ付けないチェルシー。

このまま逃げ切るかと思いきや守護神ロベルト・サンチェスが痛恨のミス。

自陣でのビルドアップを誤り、デクラン・ライスに叩き込まれた。

勢いを自ら引き出してしまったチェルシーはさらに高い代償をトロサールの同点弾で払うことになるのだった。

結局試合は2-2で終了。

勝点2を落としたチームと勝点1を拾ったチームが大雨のロンドンでの試合を終えた。

選手採点

GK

ロベルト・サンチェス 4.5

痛恨だった。

試合を通じてチェルシーペースを続けていた中、不用意なパスミスで相手を着火させてしまった。

キックミスからロングシュートを叩き込まれ、反撃の芽を与えてしまった。

90分で見ても全体的にキックが冴えておらず、トロサールのシュートを(ほぼノーチャンスだが)止めきれなかった事も踏まえて低い採点にせざるを得ない。

彼のおかげで拾った勝点は多かったが、今宵は厳しい試合になった。

DF

チアゴ・シウバ 7.0

エグすぎる39歳は今日も圧巻のプレーを披露。

的確なカバー、スライディング、対人守備はさすがの一言。

徐々に隣のコルウィルとも息が合いだし、二人でスピードに秀でるアーセナル攻撃陣を食い止める。

ショートパスからロングパスまで、ビルドアップの質も高く、老獪にプレスをかいくぐる。

ここ最近は代表招集も収まり、クラブに専念したこともあり、パフォーマンスが上がっているようにさえ見える。

レヴィ・コルウィル 6.0

開始直後に自陣ゴール前で空振りする危険なミス。

その後も雨の影響から得意のフィードが安定せず、難しい出来に。

それでも時間経過とともにアジャストし、高さを生かした守備で対面の相手を自由にさせず。

今後もこの2枚のCBで良いのでは。

マルク・ククレジャ 7.0

サカ相手に一歩も引かず、堂々のプレー。

気迫に溢れた守備で特に前半は相手エースを完封。

右でまずまずの出来を見せ掴んだチャンスをしっかりと生かし、本来のポテンシャルを最大限見せつけた。

後半はやや後手に回るシーンも増えたが、それでも及第点は大きく上回るのは間違いない。

一時は戦力外と思われたが、ここに来て復活を果たしている。

マロ・グスト 6.5

スピードのあるマルティネッリ相手にこちらも豊かなスピードで対抗。

1vs1の機会も多く作られたが、安定感のある守備は早くもアスピリクエタ前主将を彷彿とさせる。

攻撃でも積極的な持ち上がりなどまずまずの出来。

それだけにトロサールに裏を取られたシーンは唯一のミスだったが、全体としての質は高かったと言える。

MF

モイセス・カイセド 6.0

球際の激しい中盤でバチバチとぶつかり合う。

期待される守備面はもちろん、展開の部分でも貢献し、ボールスキルの高さも見せる。

中盤での存在感は高かったものの、もう少しボールに絡んでも良かったか。

エンソ・フェルナンデス 6.5

開始直後にシュートチャンスが来るが、例によって枠外。

そろそろ決めてくれ。

相変わらずのスキルとキックで攻撃を司り、前線とバックラインの架け橋に。

日程や雨といった外のコンディションに苦しむ選手が多い中、安定したパフォーマンスはさすがである。

あとは本当にシュートだけ。

コナー・ギャラガー 7.0

ボックストゥボックス、というかゴールライントゥゴールライン。

とにかく走る、走る、走る。

しかも無駄走りでなく、チームのためになっているし、大きく向上したボールスキルもセットなのも大きい。

毎節のように成長する姿は恐ろしささえ感じる。

あらゆる面で一皮剥けてきており、今や最も重要な中盤のピースだ。

FW

ミハイロ・ムドリク 7.0

ラッキーな形ではあるものの、大きな追加点をゲット。

先制点もタイミングの良い飛び込みで誘ったハンドであり、1G1PK奪取は文句無しだろう。

個人で仕掛けるシーンは限られたものの、チームとして身を粉にする場面も見られ、戦術理解度も上がってきたか。

レジェンドが掲げられた試合で、新10番の存在感を示した。

ラヒーム・スターリング 7.0

絶好調のドリブラーは今日も全開。

ジンチェンコでは相手にならず、PKを誘発するクロスも○。

それにしてもこのスターリングを抑えた冨安はリーグ全体で見ても相当のレベルだ。

代表に呼ばれなかったこともクラブとしてはありがたく、違いを生み出す存在になっている。

コール・パーマー 6.5

2試合連続でPKを冷静に沈め、チームに勢いをもたらす。

本職ではない0トップでの先発になったが、随所に顔を出し、ギャラガーのパスから惜しい左足も。

守備やチェイシングもサッカーIQの高さを感じさせ、ゴール前でラヤのパスを攫うシーンも。

それだけに流れの中からもう一点奪えればさらに良かったか。

交代選手

ニコラス・ジャクソン 5.5

ムドリクに代わり1トップとして交代出場。

ややコンディションが戻っていないか、キレは見られず。

すぐに訪れたエリア内でのチャンスは振り抜いて欲しかったところ

後半ATのチャンスもストップされ、悔しい出来に。

全体的な存在感も含めやや採点は低め。

ノニ・マドゥエケ 5.5

慣れない左での出場ということもあり、インパクトは薄かった。

得意の突破も多くはなく、こちらも不完全燃焼。

守備でも対面のサカにアシストとなるクロスを供給されてしまった。

良いとは言い難いできだったが、ポジション的に酌量の余地はある。

リース・ジェームズ 5.5

怪我から復帰の新主将。

右WGとして出場し、競り合いではフィジカルの強さを見せるシーンも。

一方でまだベストには程遠いか、本来の実力からは遠いプレーに終始。

今後の復活が待たれる。

監督

マウリシオ・ポチェッティーノ 6.5

代表ウィーク後の難しい試合も、ハイテンションのフットボールを展開し、無敗の相手に主導権を握る。

それだけにミスで勝点2を落とした印象は否めないが、監督してはよく準備したのでは。

交代がハマらなかったのは残念だが、台所事情ではやむなしの面もある。

次節に向けて前向きな試合だったことは高評価としたい。

終わりに

勝ちたかったあああ。

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