青き点取り屋の苦悩。チェルシー”CF”の系譜。

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こんにちは。3が日だと気にせずサッカーを見られる私です。

さて新年1発目の試合で我らがチェルシーはホームでサウサンプトンと対戦しました。試合はボールこそ保持しながらスペースを消す守備の前に苦戦し、結局スコアレスドローに終わりました。

今季は今のところビッグ6内で得点が最小、エースのアザールへの負担が過重気味。 かねてから絶対的CFの不在が指摘され、今冬にもゴンサロ・イグアインやカラム・ウィルソンの獲得の噂が出ている中で、再び課題を突きつけられる結果となりました。

また私のTwitterの質問箱にもCF問題に関する質問が送られてきました。

全くその通りだなあ・・・という感じなのですが、では実際どうなのでしょうか。

というわけで今回はこれまでチェルシーに在籍していたCFを振り返ります。どこからやるの?ということですが、アフリカのレジェンドにしてプレミア得点王、チェルシー最後(?)の絶対的CF、ディディエ・ドログバがCLを置き土産に退団した次のシーズンから見ていきます。

前置きが長くなりましたが、それでは!

 

チェルシー”CF”の系譜

12-13シーズン(3位 EL優勝)

・フェルナンド・トーレス

・在籍:10-11シーズン(冬)~14
・リーグ戦通算:110試合20得点
・公式戦通算:172試合45得点
・12-13リーグ戦:8得点
・前所属:リバプール

アトレティコ、リバプールで見せていた裏抜け、スピード、フィジカルバトルなど武器である多様な得点パターンによる圧巻の得点力を期待され、移籍金は当時の英国最高額の5000万ポンドとも推定。
ところがそれに見合うゴール数とは程遠く、移籍後初ゴールまで903分を要し、クラブワースト記録を更新。また後年まで「師匠」と呼ばれるきっかけとなったマンチェスターU戦で無人のゴールを外す驚愕のミスなどで悪い意味で記録にも記憶にも名を残してしまった。
ただしゴール数こそ多くなかったものの大一番で輝く姿はさすが「エル・ニーニョ(神の子)」。語り草となる優勝した11-12シーズンCL準決勝でのバルセロナを撃沈させる独走弾、決勝での同点に繋がる初のCK獲得、12-13シーズンではEL決勝で先制点をあげ優勝に貢献した。自身にとっては難しい時期となったチェルシー在籍期間ではあったが、チームのタイトル獲得への寄与は決して少なくない。
端正な顔立ちで人気を博す一方で、気合の丸刈りになるなど、懸命な姿も印象的。
なお現在はJリーグのサガン鳥栖でプレー。数は多くないが、残留を手繰り寄せる決勝点を奪うなど輝きはいまだ健在。

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(The Mirrorより)ルックスは100点

・ダニエル・スタリッジ

・在籍:09-10~12-13
・リーグ戦通算:63試合13得点
・公式戦通算:96試合24得点
・12-13リーグ戦:1得点
・前所属:マンチェスターシティ

スピードと精度の高い左足を併せ持ち二桁得点をマークするシーズンも。12-13シーズンは得点に恵まれず1点に終わり退団。ボルトンへと向かった。
その後完全移籍で加わったリバプールで覚醒。ルイス・スアレスと2トップ「SAS」を組み優勝まであと一歩に迫った。
得点率が高く、出れば割と仕事をするイメージは昔も今も変わらないのだが、ケガが多いのが玉に瑕。先述のようにシーズンフルで出れば多くの得点を生むのだが、それが一番難しい。

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(Daily Starより)直近のチェルシー戦では得点も奪った

・デンバ・バ

・在籍:12-13(冬)~13-14
・リーグ戦通算:33試合7得点
・12-13リーグ戦:2得点
・前所属:ニューカッスル

セネガル代表の同僚、パピス・シセと組んで大暴れしていたニューカッスルから獲得。残念ながらその頃と比べるとゴール数は低下し、ベシュタクシュへと放出された。
ただスティーブン・ジェラードのスリップによりこぼれたボールとリバプール悲願の優勝をかっさらったゴールや、CLでPSGを土壇場で下す劇的弾など印象に残るゴールが多い。
中国に移籍後は大きな骨折を負ってしまうが無事復帰した。

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(BBCより)PSG戦で得点したデンバ・バに駆け寄るモウリーニョ。実はポジション修正の指示を出している

13-14シーズン(3位)

・サミュエル・エトー

・在籍:13-14
・リーグ戦通算:21試合9得点
・公式戦通算:34試合12得点
・13-14リーグ戦:9得点

・前所属:アンジ・マハチカラ
インテル時代の恩師であるモウリーニョと再び共演。既に全盛期からは程遠かったが、二桁には届かなかったものの一応ファーストチョイスとして活躍。マンチェスターU戦でハットトリックを記録するなど随所にバルセロナとインテルの黄金期を築き上げた実力を見せる一方で、狡猾なプレーからゴールする(キーパーがバウンドさせたボールにちょっかいを出して奪う)かなり怪しいプレーも見せた。
なおチェルシー在籍時に年齢詐称疑惑が浮上し、モウリーニョと亀裂が入ったとの話もあったが、その後の試合でゴールを決めた際にコーナーフラッグを杖に見立てるゴールパフォーマンスを披露するなどアイロニックな一面も。

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(Evening Standardより)爆笑のサポーター

・フェルナンド・トーレス 
13-14リーグ戦:5得点

・デンバ・バ
13-14リーグ戦:5得点

14-15シーズン(1位、リーグ杯優勝)

・ジエゴ・コスタ

・在籍:14-15~16-17
・リーグ戦通算:91試合52得点
・公式戦通算:120試合59得点
・13-14リーグ戦:20得点

・前所属:アトレティコ・マドリード
ドログバ以来となる絶対的点取り屋。アトレティコで鍛えられた得点力と好戦性をプレミアでも存分に発揮。同胞のセスク・ファブレガスとのホットラインで多くのゴールを奪った。
プレミア初挑戦となった初年度は得点ランキング3位の20点と爆発したが、15-16シーズンは一転ウェイトオーバーから思うように得点できず、低迷の戦犯とも言われた。
16-17シーズンはトップフォームを取り戻し、沈黙期はあったものの20点でタイトル奪還に大貢献。
プレースタイルは肉弾戦を好み、エリア内で仕留めきるボックスストライカー。対面のDF相手に挑発を仕掛けることも多く、他サポからは決して好かれる存在ではないが、味方ならば非常に頼もしい。
いわゆる「何の脈絡もない」状態からゴールを生むことも多く、嗅覚は超一流。
コンテとの対立でチームを去ったが、以降チームは彼の存在の大きさを痛感する試合が増える。なお3年在籍しながら英語は習得できず。

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(Daily Expressより)実はプレミアで退場したことがない。

・ロイク・レミー

・在籍:14-15~15-16
・リーグ戦通算:32試合8得点
・公式戦通算:43試合12得点
・13-14リーグ戦:7得点

・前所属:クリスタルパレス
最強の第3FWとも称されるほど高い決定力を見せたレミー。大柄ながらスピードも兼ね備えており、途中出場が多かったものの7点を奪った。
活躍ぶりは控えFWとしてはまあまあ悪くなかったのだが、いかんせん中位系FWっぽく、それでやや不条理な扱いを受けた感がある。

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(Sky Sportsより)地味ながら活躍

・ディディエ・ドログバ

・在籍:14-15
・リーグ戦通算:28試合4得点
・公式戦通算:40試合7得点
・13-14リーグ戦:4得点

・前所属:ガラタサライ
チェルシーの生ける伝説が14-15シーズンに帰還。衰えは隠せないながらも4得点のうちには強豪からの得点も含まれる。既にCLやプレミアタイトルの獲得に大きな貢献をしてきたが、本シーズンでもタイトルを獲得。最後は万雷の拍手とともに二度目の退団。

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(Evening Standardより)タイトルに愛された男

15-16シーズン(10位)

・ジエゴ・コスタ
15-16リーグ戦:12得点

・ロイク・レミー
15-16シーズン:1得点

・ラダメル・ファルカオ

・在籍:15-16
・リーグ戦通算:10試合1得点
・公式戦通算:11試合1得点
・15-16リーグ戦:1得点

・前所属:マンチェスターユナイテッド
安心安全のアトレティコ産であり、当時隆盛のモナコでも活躍。世界最高クラスの典型的CFだったのだが靭帯損傷の重症を負って以降キャリアが暗転。レンタルで加入したマンチェスターUでも活躍できず、次いで訪れたチェルシーでもノーインパクトで去ることになった。
その後モナコに復帰すると本来の力を取り戻し、借りを返さんとばかりにマンチェスターシティをCLで下すこととなる。

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(The Telegraphより)マジで見た覚えがない

・アレシャンドレ・パト

・在籍:15-16(冬)
・リーグ戦通算:2試合1得点
・公式戦通算:2試合1得点
・15-16リーグ戦:1得点

・前所属:コリンチャンス
ブラジルのコリンチャンス(トラウマ)から半年のローンで獲得。天才と言われながら彼のサッカー人生を狂わせてきたケガはチェルシーでも彼を苦しめデビューが大きく遅れた。確かその試合でPKを決めたのだが、それが唯一のチェルシーでの得点になった。

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(Daily Expressより)2試合1ゴールはなかなかの効率

16-17シーズン(1位)

・ジエゴ・コスタ
16-17リーグ戦:20得点

・ミシー・バチュアイ

・在籍:16-17~17-18(冬)
・リーグ戦通算:32試合7得点
・公式戦通算:52試合19得点
・13-14リーグ戦:5得点

・前所属:マルセイユ
ドログバと同じマルセイユ出身としてプレミアの地を踏むと、第1節、2節と初ゴールを含む二戦連続で得点に絡む上々のデビュー。しかしそれ以後は好調を維持するコスタの陰に完全に隠れる形になり、後半ATの時間稼ぎの投入もあった。しかしそれでも腐らなかった彼を待っていたのは最上級のご褒美であった。2節のデビュー初ゴールの次が優勝を決める一撃になるとは誰が予想しただろうか。
SNSに頻繁に登場し、ドラゴンボール好きを公言するなどサポ間での人気は高かった。またCLアトレティコ戦では後半ATにアウェーで決勝点を奪うなど”劇的”に全振りしている選手である。

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(ESPN.comより)優勝を決める一撃。本人曰く「there is no need to be upset」

17-18シーズン(5位、FA杯優勝)

・アルバロ・モラタ

・在籍:17-18~
・17-18リーグ戦:11得点

・前所属:レアル・マドリード
ロメウ・ルカクがモラタかと言われ続け約100億とも噂される移籍金で加入。デビュー戦が数的不利かつ0-3という絶望的状況ながら1G1Aで深い爪痕を残し、サポの心をすぐにつかんだ。序盤戦はヘディングで得点を重ね、ストーク戦ではハットトリックを記録するなど大車輪の活躍。定評のあったスピードあふれる裏抜けやドリブル突破のみならず、空中戦でも存在感を見せた。特にアスピリクエタとは強固なホットラインを形成。コスタの穴を埋めたかに思えた。
ところが年明け以降長いトンネルに入ると、崩れた調子は18-19シーズンまで戻り切っていない。背中のケガを隠しながら無理をした影響もたたったか、肉弾戦に弱くすぐ倒れる悪癖が露呈してしまった。
プライベートでは双子が生まれ、それに合わせ出産日に背番号を変更。

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(Sky Sportsより)アイドルはトーレスと語る

・オリヴィエ・ジルー

・在籍:17-18(冬)~
・17-18リーグ戦:3得点

・前所属:アーセナル
バチュアイ(チェルシー→ドルトムント)、オーバメヤン(ドルトムント→アーセナル)との三角トレードでチェルシーに加入。当時コンテが熱望していた長身ポストプレーヤー。決定力や個人での突破はあまり期待できないが、ゴール前での落としや高さは大きな武器で、味方を生かすのに長けている。
優勝を飾ったFA杯では準決勝で決勝点を奪う活躍。
18-19シーズンではアザールとの好連携やアクロバティックなシュートを見せるシーンもあったが、18年末頃からポストプレーがあまり決まらず。さらに得点が怪しいオフサイドで取り消され、その流れで負傷してしまうという不運。
そういえばW杯優勝で公約通り坊主にしたのだがさすがにもう伸びてきた。

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(The Telegraphより)髭は奥さんによる浮気防止のためらしい

18-19シーズン(2018年終了時 4位)

・アルバロ・モラタ
前半戦(20試合):5得点

・オリヴィエ・ジルー
前半戦(20試合):1得点

 

最後に

いかがだったでしょうか。やはりこうして見ると15点以上取っているCFがほとんどいないというのがわかりますね・・・。なかなかビッグネームを連れてきてはいるのですが、プレミアで、そしてチェルシーでCFとして活躍するのは難しいですね。
今季はここまでCF2人でなんと6得点なのですが冬の補強はあるのでしょうか。というかないとまずいと思うんですがねえ・・・。
モラタ覚醒しないかなあ

最後に20点とは言わないので17点くらい取ってくれる選手が来ることを願っておきましょう。
それではまた。

~おしまい~

コメント

  1. […] 対的点取り屋としての重責を担っていた期間は比べ物にならない。(チェルシーのCF事情はこちら)また31という年齢を考慮すると、サミュエル・エトーのようにキャリアの晩年間際とい […]

  2. […] 対的点取り屋としての重責を担っていた期間は比べ物にならない。(チェルシーのCF事情はこちら)また31という年齢を考慮すると、サミュエル・エトーのようにキャリアの晩年間際とい […]

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