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23-24 第36節 vsウェストハム(H)選手採点

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はじめに

夢を見ている。

得点者

チェルシー 5-0 ウェストハム

得点:前半15分 コール・パーマー、前半30分 コナー・ギャラガー、前半36分 ノニ・マドゥエケ、後半3分、後半35分 ニコラス・ジャクソン(チェルシー)

試合前

FA杯マンチェスター・シティ戦に始まり、アーセナル、アストン・ヴィラ、トッテナムと、今季の上位対決を終えたチェルシー。

FA杯は準決勝敗退、アーセナルにも5‐0の完敗を喫したが、ヴィラ戦では0‐2からドローに持ち込み、スパーズ相手には今季ベストと言って良いパフォーマンスを披露。

何とか勝点4を拾い、順位も8位と、わずかながら好転した。

上に控えるマンチェスター・ユナイテッドの戦績は安定せず、直近破ったスパーズは明らかに低調だった。

ニューカッスルは今節しっかりと勝利を収めたものの、そのマンチェスター・ユナイテッドとの直接対決も控えている。

もちろん勝利を重ねることが最低条件だが、6位まではなんとか視界に入ってきたのだ。

迎える35節の相手は一つ下、9位のウェストハム。

試合数はウェストハムの方が一つ多いが、その差は2。

少しでも上の順位で終えるために、そして来季の欧州コンペティションへ、最後の参戦枠をかけた戦いである。

直近5戦を2勝2敗1分けとしているチェルシーに対し、やや低調なデイビッド・モイーズ。

今や欧州で最も注目を集めるチームであるレヴァークーゼンにELでの挑戦を絶たれ、リーグ戦では下位のクリスタルパレスやフラムにも敗戦。

それでも前節はリバプール相手にドローに持ち込み、勝点1をもぎ取る意地を見せた。

チェルシーにとっても、ウェストハムにとっても今季最後のロンドンダービー。

暫定ながら勝てば順位が入れ替わる一戦だけに、両チームの士気は高いはずだ。

またこの試合が終われば次節が1週間後と、やや猶予がある。

14人の怪我人の出ているチェルシーにとってはあまりにも厳しい日程だが、何とかこの試合までは走り抜くしかない。

ほとんどのプレーヤーは温存など出来るわけもなく、前節もフル出場。

明らかに前節の後半はバテていただけに、今節のコンディションは心配だ。

チェルシーの明るい話題は、何名かの怪我人の復帰。

一方で復帰を急ぎ、すぐに再離脱したケースは枚挙に暇がないだけに、慎重な起用が求められる。

代えの効かないノニ・マドゥエケ、コール・パーマーらはどこまでそのキレを維持できるか。

復活の様相を見せるブノワ・バディアシル、スパーズ戦では殊勲のゴールもマークしたトレヴォ・チャロバーらの守備での奮戦は必須。

そんなスタメンにはフルミネンセとの合意報道の出たチアゴ・シウバが復帰。

御大の帰還を唯一の変更として中2日のゲームに臨む。

対するウェストハムはリバプール戦で躍動したモハメド・クドゥス、マイケル・アントニオら曲者が前線に揃う。

特にフィジカルバトルが決して得意ではないCB陣にとっては、身体能力の高い両名は苦手なタイプだろう。

肉体的にも精神的にもタフさが問われるゲームは、GW最終日にキックオフを迎えた

試合内容

静かな立ち上がりとなったロンドンダービー。

強烈な二列目を有するウェストハムが先にエリア内に侵入するが、復帰したチアゴ・シウバが冷静にストップ。

直後のCKが枠に飛んだが、ここはペトロビッチが身体に当てて事なきを得た。

対するチェルシーも意表を突いたセットプレーからジャクソンが狙うが、今度はアレオラがセーブを返す。

この試合もククレジャの偽SBが機能し、徐々にポゼッションを高めるチェルシー。

カイセドやギャラガーから効果的な縦が入るようになると、右からのクロスがエリア内にこぼれる。

反応したのはコール・パーマー。

しっかりと左足を振り抜き、ハーランドを追いかける21点目でホームチームが先手を取った。

失点直後にはウェストハムにもビッグチャンス。

中途半端な対応で与えたCKから好調のボーウェンが合わせるが、これはクロスバーに救われた。

チェルシーもお返しとばかりにチャロバーがCKからヒットするが、アレオラの正面を突いた。

テンポよくボールを回すチェルシーが試合のペースを握る中、試合のトランジションも上がっていく。

クドゥスやアントニオのフィジカル自慢をシンプルに生かしたい西ハムに対し、マドゥエケやジャクソンのスピードでチェルシーは優位に立つ。

良い距離感で回すチェルシーはパーマーの鋭い縦パスにマドゥエケが反応。

左足でのターンは上手くいかなかったものの、エリア内に再びボールがこぼれる。

今度はコナー・ギャラガーが豪快に右足を振り抜き、大きな追加点を奪った。

さらに追加点を狙うチェルシーはマドゥエケが何度も左を振るが、あと一歩及ばない。

その姿勢が報われたのは36分。

甘いセットプレー守備をチアゴ・シウバが見逃すはずもなく、ドンピシャの折り返しをマドゥエケが頭で合わせ、早くも3点目を奪った。

直後にもギャラガーに2度の決定機がやってくるが、止めの4点目には至らず。

反撃に転じたいアウェーチームだが、ボーウェンのボレーは再びバーがストップ。

終始良い流れを保ったチェルシーが、3点の大量リードで折り返した。

後半スタートからウォードプラウズを投入し、ウェストハムは攻撃に厚みを持たせに行く。

流れを変えたい交代だったが、チェルシーが出鼻を挫く。

チャロバーのパスにマドゥエケが抜け出すと、GKを引き付けてラストパス。

並走していたジャクソンがあっさりと流し込み、CFの得点で4点目を奪った。

反撃の糸口を掴みたいウェストハムは元チェルシーのエメルソンにビッグチャンスが訪れるが、決定的な1vs1は枠を外れた。

直後にはウォードプラウズが十八番のFKを狙うが、ペトロビッチが好セーブ。

バタついた後半立ち上がりに対し、その後は落ち着いたビルドアップで収める大人な展開を見せるチェルシー。

消沈のモイーズを前に、早々に席を立つアウェーサポーターも現れ始める。

チェルシーは絶好調のマドゥエケがさらに貪欲にゴールを目指し、単騎でも十分な破壊力で幾度もゴールを脅かす。

1人ゴールショーへ乗り遅れているムドリクにはパーマーから絶好機が訪れるが、アレオラが集中したセーブ。

点差と時間が安全圏に入ったことを鑑み、カザディと復帰のエンクンクがピッチイン。

一矢報いたいウェストハムはボーウェンに再三のチャンスが訪れるが、再三のクロスバー。

運にも見放されると直後はカウンターからジャクソンが仕留め、ダメのダメを押す。

さらに勝利を確信したポチェッティーノは、こちらもケガ明けのアクセル・ディサシ、マロ・ギュストらの時間を作る。

ウェストハムはこの試合見事なプレーを随所に披露したモハメド・クドゥスが個人技から狙うが、ペトロビッチも集中を切らさない。

大量得点と運にも恵まれながら二戦連続のクリーンシートを達成したチェルシー。

大勝で暫定7位に浮上した。

選手採点

GK

ジョルジェ・ペトロビッチ 6.0

ボーウェンのシュートが三度クロスバーに嫌われるなど、運にも助けられた部分はあるが、これで連続のクリーンシート。

運に味方されるのもGKの重要な素質である。

自身も名手ウォードプラウズのFKや、クドゥスのミドルなどを的確にセーブ。

点差が大きいがゆえの難しさもあっただろうが、集中を切らさずにプレーしきった。

DF

ブノワ・バディアシル 6.5

復活の気配は確信へ。

持ち前のインテリジェンスの高さで、オフェンスとディフェンスの双方で存在感。

ビルドアップの貢献度も高く、左利きらしい展開力を見せボールを支配。

肉体派のFW陣に対してはクールな読みで潰しを遂行。

あの頃のバディアシルがついに戻って来た。

チアゴ・シウバ 7.0

カムバック初陣とは思えない圧巻のパフォーマンス。

守備はもちろんだが組み立てが素晴らしく、難しいバックパスを完璧に捌いた縦パスで2点目の起点に。

まだまだワールドクラスの技術をしっかりと見せつけた直後には、高打点のヘッドでアシストも記録。

後半はペースをコントロールし、巧みなボール回しを先導し、試合を完全に支配。

もう1年、どうだろうか。

マルク・ククレジャ 6.5

偽SBが完全にハマり、直近の好調を牽引するキープレーヤーの一人に。

豊富な運動量とSBには珍しい両足の器用さを中盤で遺憾なく発揮。

充実ぶりはサイドの守備でも出ており、程よい距離感とガッツで強烈なWGをストップ。

攻守ともに現戦術の要になり、チームの良い距離感とテンポを作っている。

放出候補には出来るわけのない幅の広いプレーで、ポチェッティーノの戦術を支えている。

トレヴォ・チャロバー 6.5

対面のクドゥスには苦戦しつつも、長身を活かしたプレーで空中戦を制する。

ボールスキルもそこそこあることから、組み立て時も良い顔の出し方を随所に見せていた。

後半立ち上がりには見事なロングフィードでダメ押しのゴールを導く。

復帰からハイパフォーマンスを続けており、ユーティリティさも高評価だ。

MF

モイセス・カイセド 7.0

ククレジャ、ギャラガーに脇を固められ、自身の能力をフルで発揮。

危険な位置にはしっかりと顔を出し、的確なブロックでコースを遮断。

攻撃面での活躍も見逃せず、この日は見事なスルーパスでアシストも記録。

全く休みがないのだけ懸念だが、それだけ代えが効かないということでもある。

コナー・ギャラガー 7.0

巧みなボレーで2点目をマークし、チームを勢いに乗せる。

この日も様々な場所に顔を出し、引き出しては走りを繰り返した。

ゴールは見事だったが、さらに2回訪れた決定機を外したのは要反省。

まあ一本も決められなかった頃を知っているだけに成長しているのは間違いないし、何をどう考えても非売品なのはもっと間違いない。

コール・パーマー 7.0

ゴール前のこぼれ球を冷静に仕留め、大勝の口火を切る先制点を記録

得点はもちろん、サイドからのドリブルやラストパスもハイクオリティで、アシストがつかなかったのが不憫。

ハーランドに続いて4発、とはさすがにいかなかったが、今日も今日とて高い決定力。

スタンフォード・ブリッジのレジェンド達に並ぶホーム得点記録に1年目で並んでしまう。

FW

ミハイロ・ムドリク 6.0

パーマーのパスから迎えた右足は仕留めたかったところ。

これまでに比べシュートの精度は高かっただけに、ゴールショーに自身も名を連ねたかった。

それでも意外なCKの上手さを見せ3点目に絡む。

守備は相変わらず軽いのが気になるが…。

ノニ・マドゥエケ 7.5

何度も左を振った姿勢は、まさかのヘディングでのゴールで実った。

1vs1ではもはや向かうところ敵なしで、持てば必ず剥がし切る。

シュートやクロスまで絶対に持ち込む積極性もさることながら、守備での献身性も称賛に値する。

一点取った余裕もあってか、後半開始直後はジャクソンにプレゼントパスでアシストも記録。

ニコラス・ジャクソン 7.5

オグボンナやズマ相手に身体能力で優位に立てるのはさすが。

普段は決定力にケチがつけられるが、この日はしっかりと2得点。

ファーストゴールはほぼマドゥエケの得点と言って良いが、それで得た自信が冷静な2点目に繋がったか。

能力や貢献度に疑いはないだけに、ゴールもついてくれば当然言う事なし。

交代選手

クリストファー・エンクンク 6.0

サポーター待望のプレーヤー。

久々の試合だけに何度かパスが引っかかっていたが、随所にテクニックを見せる。 

残りの試合はプレミアと身体を馴染ませる時間に充てたい。

最後はエリア内で好機を迎えたが、ラストパスはジャクソンに届かず。

チェザーレ・カザディ 6.0

ここ最近増えた左MFでの交代出場。

大勢が決した中、インパクトは放てなかったのは仕方ない。

落ち着いたポジショニングでボール回しへの絡みも柔軟になった印象。

逃げどころとしての高さもチームの共通理解になってきた。

アクセル・ディサシ 6.0

チアゴ・シウバに代わり途中出場。

仲間の築いたクリーンシートをしっかりと引き継ぐ

マロ・グスト 6.0

こちらも復帰戦。

危なげない出来でタスクをしっかりと果たす。

アルフィー・ギルクリスト -

監督

マウリシオ・ポチェッティーノ 7.0

ほとんどメンバーをいじれないままの連戦だったが、ボールと試合をがっちりと支配。

ククレジャのコンバートはチームのストロングポイントを最大化させ、ウィークポイントを上手く隠している。

課題の後半立ち上がりもチアゴ・シウバを起点に上手く落ち着かせることに成功。

90分通じて展開を理想的に進め、リハビリに多くの時間を割けたのも大きい。

終わりに

ゴールデンなウィークでした。

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